恩師である阿部晴彦先生の総義歯セミナーに参加しました
私の恩師である阿部晴彦先生の総義歯(入れ歯)セミナーに、今回はインストラクターとして参加しました。何度も阿部先生の講義を聞いていますが、毎回新たな発見があり、臨床において重要な事を再確認できる学びの場となります。
今回のセミナーでも、総義歯治療における基本の大切さや、より精度を高めるための工夫を改めて実感しました。本記事では、セミナーで得た学びや実践的な内容を振り返り、今後の臨床にどう活かしていくかをお伝えします。
【スナップ印象とアルジネートバイトの活用】
アルジネートによるスナップ印象の重要性を改めて体感しました。適切なトレーを選択し、解剖学的な特徴をしっかりと反映した精度の高い印象を採得し、模型を作成することで、より適切な治療計画を立てることができます。
特に、印象採得時にアルジネートで上下の咬合を同時に記録する方法は、簡易的ながらも咬合器に模型をマウントすることができ、後の工程をスムーズに進めるうえで有効です。

【正中矢状面を基準とした咬合器へのマウント】
作成した模型を、阿部先生のコンセプトであるSHILA SYSTEMに基づいて咬合器にマウントしていきます。咬合器の正中と顔貌の正中を一致させることで、審美性の高い総義歯の作製が可能になります。今回は、上顎模型を正中矢状面を分析してマウントし、アルジネートで記録したバイトを活用して下顎模型をマウントする方法を実践しました。
現在では使用される機会が減っていますが、顎関節の状態を評価するためにゴシックアーチトレーサーを用い、患者様の顎運動やタッピングポイントを確認する工程も行いました。このプロセスは総義歯作製において非常に重要であり、より正確な咬合位の決定が顎が安定し、噛める総義歯につながります。
【4. リマウントと前歯部の配列確認】
ゴシックアーチを記録することで、下顎のリマウントを行い、患者様の生理的な咬合と総義歯の咬合を一致させることができます。 この工程を正確に行うことで、より自然で快適な総義歯を提供できます。
また、前歯部の配列は技工士に任せることが多いですが、チェアサイドで行うことで、患者様の顔貌に合わせた人工歯の選択と配列が可能になります。 実際の患者様で前歯部の配列を確認することで、審美性だけでなく、咬合のバランスや機能性にも配慮した調整の重要性を再認識しました。
【5. まとめ】
今回のセミナーでは、総義歯治療における基礎から応用までを改めて学ぶ貴重な機会となりました。 インストラクターとして参加したことで、技術を深く理解すると同時に、基本の大切さ、教えることの重要さを感じました。
これからも研鑽を重ね、より精度の高い義歯治療を提供していきます。