エンドサミット2026に参加しました。

先日、デンタルアーツ主催のエンドサミットに参加してきました。

このサミットは、私が参加したトロント大学のエンドドンティクススタディプログラムの一環として開催されているもので、プログラム参加以来、毎年必ず出席しています。

海外から著名な先生方が来日し、最新の知見や長年の臨床経験に基づく考え方を共有してくださる非常に重要な機会です。臨床における考えをアップデートする大切な場であり、今回も非常に実践的な内容でした。


VPTにおける齲蝕の削り方

今回改めて考えさせられたのは、VPT(歯髄保存療法)における齲蝕除去の考え方です。

大切なのは、レントゲンから齲蝕の大きさと歯髄との距離関係を把握した上で

  • 感染象牙質をどこまで除去するか
  • どのような象牙質は削り、そのような象牙質は残すのか
  • 歯髄の炎症が可逆かどうかをどう判断するか

単に「露髄しないようにする」治療ではありません。

削りすぎれば歯髄のダメージを広げ、削らなければ感染を残す。

そのバランスを、総合的に判断する力が求められます。

特に重要なのは、露髄後の出血で止血できるかどうかが大切です。


外科:根尖切除は“視野がすべて”

今回の外科セッションは根尖切除術でした。

ここで強調されていたのが、

外科は目視で行うもの。術野がすべて。

という考え方です。

  • 十分な骨開窓
  • 明確な視野確保
  • 確実な止血

これらが整って初めて、正確な根尖切除と逆根管充填が可能になります。

見えない状態での処置は、成功率を下げるだけでなく、不要な侵襲にもつながります。


骨補填材を入れるかどうかの判断

根尖切除後、骨補填材を入れるべきかどうか。

これも単純な“入れる・入れない”の問題ではありません。

判断基準として重要なのは、

  • 病変の大きさ
  • 頬側皮質骨の状態

特に頬側骨が大きく欠損している場合は、陥凹する恐れがあるため、補填材の適応を検討します。

逆に、骨壁が十分残っている症例では、生体の治癒能力を信頼して材料を使用しない選択もあります。

材料ありきではなく、解剖学的条件と生体反応を評価して決める。

この思考プロセスこそが重要だと感じました。


継続して学ぶことの意味

トロントのスタディプログラムに参加してから、エンドに対する考え方は大きく変わりました。

その基本を改めて再確認できた一日でした。