“2nd YOUNG Dental Innovators’ Meeting 2025” に参加しました。
2025年11月1日・2日、横浜パシフィコで開催された**クインテッセンス出版株式会社主催「2nd YOUNG Dental Innovators’ Meeting 2025」**に参加しました。
本ミーティングは、次世代の歯科医療を担う若手臨床家が、日々の診療で得た知見や臨床技術を共有し、互いに議論を深めることを目的として開催されたものです。

■ 歯周病治療の最前線:低侵襲アプローチと再生の適応
歯周病セッションでは、**マイクロスコープを用いた低侵襲再生療法(MIST・M-MIST)**や、**歯冠乳頭を保護する切開デザイン(EPPT・DEPPT)**など、術式の工夫と臨床的根拠が紹介されました。
特に、歯肉や歯冠乳頭の退縮を防ぐためにフラップを大きく開かず、未剥離部を自然のメンブレンとして機能させ、血餅の安定性と血流保持を両立できる点は非常に印象的でした。
■ インプラント審美・骨造成のアップデート
インプラントセッションでは、審美領域における骨造成(GBR)と軟組織マネジメントが中心テーマでした。
骨移植材の選択や膜固定法、さらには結合組織採取の部位・方法の違いが複数の臨床家から提示され、それぞれのアプローチに理論的背景と経験的工夫が見られ、非常に興味深い内容でした。
審美領域では、硬・軟組織双方のボリュームと厚みの調和が長期安定に不可欠であることを再確認しました。
■ アライナー矯正の臨床限界と精度管理
矯正セッションでは、アライナー矯正の最新動向と臨床限界について議論されました。
新たに登場した形状記憶アライナーの特性により、歯の移動精度やステージングの柔軟性が向上していることが紹介され、今後の治療選択肢の広がりを感じました。
■ 若手臨床家によるケースプレゼンテーション
若手歯科医師による症例発表では、歯周・補綴・矯正を統合した包括的治療計画が多く発表されました。
いずれも、エビデンスに基づきながら、患者個々の背景や審美的要求に合わせた柔軟な対応がなされており、治療判断の過程を共有する貴重な機会となりました。

■ 今後の臨床への応用
今回得られた知見を踏まえ、当院では以下の取り組みを進めてまいります:
- 歯周・インプラント領域における低侵襲かつ高精度な外科手技のさらなる研鑽
- 咬合・審美・安定性を統合的に考慮した矯正治療計画の精緻化
- 各患者の背景と希望に合わせた最適な治療選択の実践
常に臨床の質を高め、得られた学びを診療成果として還元できるよう、今後も研鑽を続けてまいります。

