下顎隆起(外骨症)

最近、外骨症の患者様の手術が多い。

以前は外骨症という病名があったが、最近はそう言わずに下顎隆起と言う病名で呼ばれる。外骨症と聞くと骸骨をイメージして何となく怖い感があるが、骸骨とは何ら関係無く、下顎の歯の歯茎の内側の骨が膨らんでくる病気である。

患者様は、口腔内で舌が収まっている部分にいつも大きな飴玉があるような感じとおっしゃる。

実際に大きな下顎隆起がある患者様のお口の中を拝見すると舌の定位置はどこなのだろう?と思う。

やはりいつも舌が隆起の上にあるので発音がしずらく、嚥下障害、硬いものなどを食べる時などに引っかかりやすく、咀嚼時の外傷を伴いやすい。

という訳で、下顎隆起の患者様はその邪魔な飴玉を除去されたく弊院においでになる。

下顎隆起形成術は飴玉のように隆起した骨を削り取る訳だが、どこに切開線を入れるかが難しい。

ゴム風船に例えると、空気が入っていくとゴムが徐々に薄くなりながら膨らんでいく。歯肉も同じで隆起の上の歯肉は正常な歯肉よりも薄い。薄い歯肉は血液の供給が良くないため治りにくかったり裂開する恐れがある。

そんな訳で、切開線の入れ方に熟練度が要求される。

熟練したドクターが切開線を入れ、そこの歯肉を骨から剥離させていく。隆起した骨全体の歯肉を剥離させたらピエゾサージェリーと言う器具を使う。

ピエゾサージェリーとはインプラントや抜歯など外科的な処置の際に骨などを切削する器具です。特徴としては、骨を切削しても軟組織(皮膚・粘膜・血管・神経など)が傷つかず、歯肉や粘膜を痛めずに安全な手術が可能となります。
非常に正確で緻密な骨切削が可能となり、数百μmの微細な振動により滑らかな切削面が得られ、正確で予知性の高い施術を行うことができます。

そして、このピエゾサージェリーを使用して切削した骨がこちら↓

 

500円玉大の半球体の骨を切り取りました。

そして、骨面を綺麗にならして丁寧に縫合して終了です。

下顎隆起は大抵左右対称に出来ているので、傷口が綺麗に治ったら反対側も手術します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です